カテゴリ:アトピー発生機序理論



アトピー性皮膚炎と診断されたことがなく、身体のほかの部位に湿疹はない。なのに手だけは湿疹だけがどうしても治らず、いつも指先がパックリ割れて痛いという人が、時々います。老若男女問わず、特に炊事などをしていなくても、です。今回はそんな手湿疹の謎に迫ります。 手湿疹で受診する人の特徴とは?  皮膚科を「手が荒れるので、薬をください」と受診する患者さんで多いのは、子育て中のお母さんや炊事の多い女性と、ある職業に就く人たちです。
顔の湿疹の原因は?  前回、頭の脂漏(しろう)性皮膚炎、頭の湿疹は、首の後ろがつぶれているのが原因と解説しました。今回は、患者さんの悩みの種になりやすい、顔の脂漏性皮膚炎や湿疹について考えていきましょう。  脂漏性皮膚炎は頭皮だけでなく、顔にも生じます。顔の脂漏性皮膚炎がひどい人や顔の湿疹を繰り返す人は、「首の谷折り線」が首の前にあります。首の前のシワが異常に目立つ人やあご下から首との境目にざらつきがある人は、この「首の前の谷折り線タイプ」であるといえます。

体幹のかゆみで多いのが、背中の上部(肩甲骨あたり)と腰。 「ベルトがすれて腰がかゆい」という男性の話を聞くことがあります。あるいは「ブラジャーのひもが当たって肩甲骨の付近がすれてかゆいみたい」と話す女性も結構、いますよね。実際に「腰や背中がかゆいのは、すれるからだ」と思っている人は多いでしょう。でも人間の背骨の構造上、正常な姿勢であれば、肩甲骨や腰は出っ張っていないので、その部分だけかゆい、というのはおかしな話です。
第2回目は、『歩き方とアトピー性皮膚炎』 【皮膚の“三大かゆみ部位”1位は脛(すね)!?】皮膚科にかかる人で「カサカサしてかゆい」と訴えが多い場所。それが「脛(すね)」「背中上部」「腰」です。特に「夏は大丈夫だけれど、毎年冬になるとかゆくなる」と訴える人が多いのが脛なのです。そして下肢(脚)の中で、太腿やふくらはぎはそうでもないのに、脛ばかりがかゆくなるという人は、歩き方に問題があります。歩き方が変だからって、そこばかりが擦れるわけでもないし、皮膚の乾燥に歩き方が関係しているとは思えない……と言う人ほどぜひ気にしてほしい、「体質」や「加齢」では説明できない「部位のナゾ」を、アトピー発症機序理論に基づき解説しましょう。

今回から全9回にわたって、皮膚科専門医である山本綾子先生の『アトピー発生機序理論』についてお伝えいたします。 山本先生は、アトピー性皮膚炎の発生と身体の使い方に深く結びつきがあると考えられており、その理論をもとに患者さんの治療にあたっておられます。この考え方は、アトピー性皮膚炎で辛い思いをしているたくさんの患者さんに知っていただきたいです。 また、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に対するリハビリテーションを学んでいく理学療法士や作業療法士にとって、知らなければいけない重要な考え方だと強く感じます。